「ありがとうベボガ!」水沢心愛(ここたん)インタビュー

■解散が決まってから
―――今回の「ありがとうベボガ!」企画。ここたんが最後です。

水沢 照れちゃうな。やっぱり私がオチなんですね(笑)。

―――違う違う。そういう意味じゃないです。緊張します?

水沢 もう全然です。

―――やっぱり最初にすればよかった。斬り込み隊長だから。

水沢 みんなが速く帰りたいって言うんで、じゃあ私最後でいいよって。大人なんで!

―――泣くの見られたくないんですよね?

水沢 違いますよ~全然。もうもう全然!!

―――今回は時間もあるので、ファンにたくさんの気持ちを伝えてほしいです。

水沢 言わせてください。ありがとう。

―――ティッシュはそこにあるので。

水沢 はい(笑)。

―――それでは始めましょうか。まずは解散について聞かせてください。ファンたちはけっこう驚いたと思うんですけど、そんなファンの人たちに率直な想いを語ってほしいです。

水沢 はい。最初にあやぱむがグループから脱退してメンバーのメンタル的に「大丈夫かな?」って思ってはいたんですよ。そのときから「覚悟してた」ってわけではないですけど漠然と
した不安はありました。最初に解散が決まったときも実感湧かなくって。「あ~解散するんだ」って。その後、ファンの人に解散のお知らせが出た後もなんか実感湧かなくって。お知らせ
の次のライブがTIFでした。

―――そうでしたね。

水沢 マイナビステージで『ビマベ!』の初お披露目のときに泣いてるファンの人がいるのを見て……そこで一気に実感がやってきました。「そんなにいつも大切に思ってくれてたんだ」って。ツイッターに関しても「解散のお知らせ」が出たとき、よく現場に来てくれるファンの人たちに限って全然解散についてのツイートとかしてなくって。逆に元気なツイートもしてたりして……。カラ元気的なところもあったんだろうけど、みんなが私たちのために前向きに「解散まで頑張ろう」って思ってくれてる気持ちがちゃんと伝わってきました。でも、マイナビステージのときに泣いてる人を見て、「やっぱり頑張って無理して元気に振舞ってくれてたんだ」って思って。そしたらこっちもなんか泣けてきて、もう我慢できなくってステージ上で泣いちゃいましたね。

―――本当にファンにとっては予想外だった、と思います。

水沢 確かにベボガ!は事務所が2回も変わっても、何事もなかったかのように活動できてたグループだったから。なんか本当にこういうとき来るんだって……。

―――ファンたちに今、素直に伝えたいことを教えてください。

水沢 やっぱりベタだけど「私と出会ってくれて、私のこと受け入れてくれて、私のことを知ってくれて、ありがとう」っていう気持ちです。いまこの日本にアイドルって、本当に限りないほどたくさんいるじゃないですか。もうヲタクの数の1/2くらいはいるんじゃないか、っていうくらいいて、そのなかで私のことを選んでくれるって、確率的にも低い。さらにほかのアイドルよりも劣ってる部分がけっこうあるのに、それでも応援してくれるっていうのがありがたさしかないし、幸せなことだったなって。本当にただ「ありがとう」って気持ちを伝えたいです。

■みんなと話すのが好きな理由
―――アイドル活動のなかで楽しかったことを教えてください。

水沢 いろんなことがワーーッて頭の中に浮かぶんですけど、やっぱり私はしゃべることが大好きなんです。だから一番は握手会や特典会でファンの人と直接お話したことですね。まあ私はライブが苦手分野なので(笑)。ファンの人とコミュニケーションを取って、また来てもらいたいというか、もっと好きになってもらわなきゃ、って思ってました。「しゃべるの好きだよ」とか「トークが好きだよ」ってちゃんと伝えることを意識して活動してて、だからこそ私のこと好きになってくれた方もいて、そういうことがうれしかったりもしました。

―――ここたんは普段ファンとどんな会話をしてるんですか?

水沢 すごくだらない会話です(笑)。多分ほかのメンバーたちがファンと話してる内容と比べたら、『ここったー』との会話内容は、圧倒的に実のない話なんじゃないですかね(笑)。『ここったー』はそれを実感してると思いますね。

―――具体的に言うと?

水沢 ダジャレとか、ご飯の話とか……。しかも、私しかしゃべってないっていうパターンが多くて(笑)。いや~やっぱり聞いてもらうのって気持ちいいですよね。私ってすごくしゃべっちゃうから、家族でももうスルーされちゃうんですよ。だから、ファンの人たちの私を受け止めてくれる感が、本当にしゃべり甲斐があるっていうか、しゃべってて本当に楽しいっていうか、「もう特典会だけでもいい」って感じの時期もありましたね。

―――……えーと、パフォーマンスを早い段階から諦めたのはどのくらいのときでしょうか?

水沢 それは……いやいや、全然諦めてないんですけど!

―――いやいや言い方ごめんなさい(笑)。パフォーマンスでグイグイいくのはちょっと厳しいな、と思ったのはいつですか?

水沢 えーと、デビューしたてのレッスンのときですね。先生の言っている意味が全然解らなかったんです。「リズムが合ってないよ」とか。

―――分からないことが、分からないってことですかね。

水沢 私、騙されたんですよ! アイドル始める前に私スタッフさんに言ったんです。「歌とかダンスとか本当にやったことないし、何より音感ないです」って。そしたら「アイドルは歌とかダンスとかじゃないから大丈夫。全然歌わなくても踊らなくてもアイドルになれるから大丈夫だよ」って言われて。そう聞いてレッスンに行ってみたら、「いやもうこれ完璧に歌とダンスできないとダメなんじゃない?」ってなりました。実際レッスンが始まると思うように体が動かなくて……。リズムも音も感じられなくて、みんながやってる動きについていこうとしても全然ずれるし、逆になっちゃったりしてました。ジャンプとかもどうやっていいのかわかんなくなっちゃって、先生が1.2.3.4ってカウントを数えるんですけど、それをどう音に合わせればいいのかも分からなかったです。何に合わせて1.2.3.4.なのか、どういう基準で体を動き出せばいいのかな、とかのレベルだったから
すごく混乱したことを覚えています。

―――小さい頃からそうだったんですか?

水沢 私って、小学校のときからずっと「音痴」って言われてて。家族でカラオケに行ってもあんまり歌わせてもらえなかった。それでいつも半べそかきながら「歌いたいのに~」って言ってましたね。認めたくないですけど、小さい頃から「歌いたいのに全然思うように歌えない」って認識はあったんです。

―――そんなここたんですけど、アイドルには特典会があったというわけですね。

水沢 そうです。特典会は救いでしたね。活動が初期の頃、みんなでフライヤー配りとかをやってたんですけど、私はけっこう好きでした。自分から配りに行けば誰とでもしゃべれるし、積極的に頑張れば、自分を知ってもらえるし。そのあとチェキを撮りに来てくれたときの「努力が実った」うれしさがすごいんですよ。

―――ファンと話すのが大好きだったんですね。

水沢 本当にそうだと思います。活動初期の頃、ライブでパフォーマンスがダメダメだったときに落ち込んじゃうことがけっこう多くて。私って歌がヘタなのはわかってるから、周りからすると水沢なら大丈夫だろ、と思われがちなんですけど……。いつもより練習した上でダメだったときは本当に落ち込んで悔しくてよく泣いちゃってました。そんなときファンの人が「全然よかったよ。気にしない方がいいよ」とか言ってくれるんです。でも、それがかえって悔しさとかあって、次は心の底から良かったよ、って言ってもらえるように頑張らなきゃな、って思えました。

―――負けず嫌いなんですかね?

水沢 けっこう平和主義で、負けてもいいやって感じもあるんですけど、ちょっとはありますね。自分ひとりのためなら勝ちたいってあんまり思わないですけど、誰かのために、って考えると頑張らなきゃいけないな、って思いますね。私のためにファンのみんなはお金も時間を費やしてくれてるので、それにはちゃんと応えなきゃいけないな、っていう気持ちです。

■ここったーの存在
―――ここったーのことを僕に自慢してください。

水沢 ここったーは、私の歌がズレてても頑張ってコールしてくれてるんで、「他のメンバーの推しの人たちよりも自分のリズムを信じる」ってことに慣れてます。だから「自分のリズムを保てるヲタクたち」ですね(笑)。いや、私もいつも申し訳ないな、って思って歌ってるんですけど、私の歌に合わせないといけないのか、それとも音に合わせないといけないのかって、相当迷って悩んだって感じだと思うんですよ。でも最近は私の歌は無視されて、音に合わせられてる感じなんですけど(笑)。活動初期の頃とかは「俺たちが頑張って、ここたんの歌を周りに聞かせないくらいの声でコールするから安心してね」って言われたりして。「え! それどうゆうこと?」みたいなこともありました。本当は失礼な話なんでしょうけど、でもみんなのそういう優しいところが大好きです。私の歌がズレたときは、わざとズッコケてくれて、それが芸風みたいに扱ってくれたりとか。それがベボガ!現場の楽しさのひとつになってるのは、ここったーたちのおかげだと思います。

―――けっこう頼れる存在ですよね?

水沢 そう。本当に頼れますよね。本当にそう。例えば変な頼り方なんですけど、私が歌ってるときに見ると口パクで歌ってくれてるから、それを見ながら歌ったりとか。私って振り付けとかもけっこうリズムと合ってなくて。でもセンターポジションが多めで後ろも横も見れないからほかのメンバーに合わせることもうまくできないんです。そしたら! 私の正面で超正確に踊ってくれてるので、それに合わせてステップできたりすることもあって、だいぶ助けられますね。あと、私がスケジュール面で頼りないって思われてるのか、いつも間違えてるってイメージがついてるのか分からないんですけど、ツイッターでよく「明日はどこどこでライブだよ」って先に言ってくれるんですよ。本当にお父さんみたいな感じです。

―――なんでそこまでしてくれるんでしょうか?

水沢 心配性なんですかね(笑)。穏やかだし、根っこが優しい人が多い印象です。私が「自称センター」って言えるのって、みんなのおかげだと思ってます。本当はセンターとかそんな自信ないけど、「自称」ってネタっぽく言ってるのに乗っかってくれてのがなんかホッとする。私もベボガ!って、センターいらないって思ってるし(笑)。だからこそうまくやってこれたのかなって思ってます。本当に『ここったー』だけじゃなくて、ほかのベボボ、ベボ女たちも私が「ベボガ!のセンター」って言ったとき、「えーーーーっ」って言ってくれて。最近、その「えーーーーーっ」がすごく長いんですよ(笑)。でもそれもうれしくて、ほんとに愛情だな、と思ってます。

―――ここたんの立ち位置とかアイドルとしての魅力もここったー中心にみんなで守ろうとしてるのかな、って思ったりします。

水沢 そうなのかな? でも確かに最初の頃からここったーは真ん中に集まりがちですね。私の歌割がなくって、センターポジションじゃなくて、端っこでしんみり踊ってるときもあるのに、それでも真ん中にいてくれるから変な感じはしますね。

―――ここたんとしては前にいて欲しいの?

水沢 やっぱり自分の推しが目の前いると楽しいです。近いとパワーもらってる気もしますし。だからある程度分散もしててほしいけど、「ここったーって真ん中にいるよね」って言われるのもなんだかうれしかったりするんです。

■大切なベボガ!のファンたち
―――では、ベボガ!のファンを自慢してください。

水沢 ベボガ!のオタクは穏やか! 本当に凄い穏やかで。

―――ここったーと一緒じゃないですか(笑)。

水沢 いやいや、みんな穏やかなんですよ。箱推しっていうか、ベボガ!のメンバーみんなを好きな人が多くて。「ベボガ!に嫌いなメンバーはいないよ」って言ってくれる人がたくさんいます。全握とかでも「みんなと喋れてうれしい」って言ってくれていつもそれがすごくうれしくて。なんだか家族感が出てるグループなのかな、って思いますね。

―――家族っぽい感じはそうですね。

水沢 ヲタクの人同士がベボボ、ベボ女でみんなで一緒に話してるのを見てると、いつもほっこりするんですよね。ほかの現場だと、好きなアイドルがいる前だと、けっこうみんな推しばっかり見がちだったりするんだろうけど……彼らって私たちには目もくれず、そっちのけでワイワイしゃべってたりするんです(笑)。でも私はそういうところがすごく好き。コミュニケーションを取りながらみんなで一体になって応援してくれてる感じが大好きなんです。

―――なんでそういう雰囲気なんですかね?

水沢 なんかよく「推し被り敵視」とか聞くじゃないですか。でも全然ベボガ!のオタクは、同じ推し被りだったら仲良くもなるし、逆に推しが違ったら情報交換し合ったりとか、ランダムチェキ交換しようよとか。コミュニケーション能力の高い人が多いのかもしれません。とくに新規の人とかにも、よく話しかけていったりする印象がありますね。

―――けっこう昔から長く応援してくれてる人が多い印象ですか?

水沢 確かにそうですね。ここったーはとくに前からいてくれてる人が多いなって思ってて、4年くらいずっと推してくれてる人もいますね。だから、自分の成長を見てもらってるのはうれしいけど、たまにそれが恥ずかしい、みたいなこともあります。ほめてくれるのはうれしいけど恥ずかしいとか、昔の写真とかツイッターに載せられるとめっちゃ顔丸いから恥ずかしい、とかありますね。

―――ずっと成長を見てもらってる実感があるんですね?

水沢 めちゃくちゃその自覚はありますよ。やっぱり私伸びしろしかないんで(笑)。今でもスタート地点に立ってないくらいなんですけど、私ってマイナス1000くらいからのスタートで。今もうマイナス2くらいなんで、あともうちょっとだったんで、クラブチッタで0して終わろうかな、って思うくらいです。でもきっと、本当に久しぶりにラストライブに来てくれるファンの人もいるだろうし、「どうしたのここたん? 歌うまくなったじゃん」とか言われたい。で、昔からいるファンの人も、物販とかではツンツンしててあまり褒めてくれないのに、そんな人が「今日のここたん本当に良かった」ってツイートしてくれたりするの、めっちゃうれしかったりします。私、もう本当にヲタク大好きなんです。

■みんながくれた思い出
―――ファンがくれた思い出で一番うれしかったことを教えてください。

水沢 やっぱり生誕祭ですね。毎年全部で4回やっていただいたんですけど、こないだの20歳の生誕祭のときにシャンパンタワーをやってもらったんです。ドレスを着てシャンパンタワーやりたい、ってお願いしてたら、本当にやってくれて。オリジナルのシャンメリーも作ってくれてうれしかったです。でも、うまく注げなかったから、注ぎ方をちゃんと勉強しとけばよかったなって思いました。でも私が望むことを用意してくれたっていう事実がすごくうれしくて、私がやりたいことやしてもらいたいことを叶えてくれるんだなって思って感動しました。毎年みなさんにはスタンドフラワーとアルバムをいただくんですけど、スタンドフラワーは真っ赤で大きいのをいただいて。アルバムは表紙が、衣装を小さくしてまるでそのまま貼り付けたようなクオリティの高いもので。そういうアイデアにも感動するし、ケーキも毎回どういうのがいい? とか聞いてくれるんです。たくさんのメッセージカードとか、お願いして協力してもらわないといけないだろうから、そういう労力も時間も使わせちゃってることもあって、いつもメッセージカードを読みながら涙が止まんなくなっちゃいます。メッセージカードに書いてくれてる内容もすごくうれしいことばかりだし、こうやって一枚一枚を作ってもらえるのってアイドルやってないと無理だし、いつも本当にうれしいなって思ってました。

―――時間をかけて用意してくれてるのうれしいですよね。

水沢 最近で心に刺さったというか「マジか? えーっ!」て思ったことがあって。解散発表したときに「もうここたんの生誕の準備始まってたんだけど」って言われて。だってまだそのとき8月に入ったくらいで、来年の1月29日まで半年くらいあって、そんなに前から考えてくれてることなんだなって思うと、胸が締め付けられる感じでした。ってことは、去年の生誕祭もさらに半年前から準備してくれてたんだって思って、すごく長い時間を私のために使ってくれてるんだな、って思ってうれしかったです。

―――では、アイドルグループとして活動してて、うれしかったことを教えてください。

水沢 ワンマンライブをさせてもらってることは毎回もうとても幸せな空間なんですけど、TIFに出られたことは、アイドルとして認められたんだ、って思えました。私たち、1年目はフライヤー配りをして、2年目はお台場アイドルフェスティバル、3年目で初めて出場が決まったんですけど、そのときはうれしかったですね。ファンの人たちも喜んでくれてて、そういう姿を見ると本当に頑張って良かったなって思うし、来年も出たいなって意気込みにも繋がりました。あともうひとつ……私の個人的なこだわりの気持ちなんですけど、新木場スタジオコーストのメインステージに出たときは、感極まりすぎて泣いちゃいましたね。

―――そういえばデビューは新木場でしたもんね。

水沢 デビューはテントステージだったんですけど、帰りがけにメインステージを見たんですね。そのときに「こんなにヲタクってたくさんいるんだ」って圧倒されたし、でも「こんなところで歌って踊ったらどんな気持ちなんだろう」って思ったんです。そのときに「新木場スタジオコーストのメインステージに立ちたい!」 って思ったんですよ。一回だけ100℃ BaSiCで立てる機会があったんですけど、そのとき私インフルエンザで立てなかったんです。立ってたみんながうらやましいなって思って、けっこう悔しい思いをしたことを覚えてます。その後に、ベボガ!で新木場コーストのメインステージで持ち時間をいただく機会があって。タイムテーブル的に早い時間だったんですけど、そのときもファンの人たちが「ベボガ!がずっと立ちたいって言ってたメインステージだから」って駆けつけてくれて、本当にうれしかったです。

■アイドル水沢心愛とは?
―――水沢心愛というアイドルはどんな存在だったのでしょうか?

水沢 これはまさに「唯一無二」ですね。自分で言うのも変なんですけど、私アイドルで自分より歌が下手でダンスがリズム合ってない人って、見たことがなくって。もはや一般人の友達ですら私よりも歌が下手な人を見たことがないです(笑)。ただ、こんなに歌が下手で、自分でもいうのも超絶おかしいことなんですけど。私ってすごくファンの人に愛されてるな、って実感があります。こんなに歌がダメダメなのに、アイドル辞めろとか心が折れるようなバッシングは一切なかったです。たまたまかもしれないけど、自分のキャラクターのおかげなのかな? だから私ってすごいな、って思いますね(笑)。

―――今まで現場のスタッフとかはどうでした?

水沢 大体みんな「それでいいんだよ」って言ってくれました。プロデューサーとか全部に、それを個性として受け入れてもらってた感じはあります。多分、ほかのグループじゃ絶対に通用しないな、って思います。私ってベボガ!だから続けることができたアイドルなんです。だって、虹コンのオーディション受けたら一発で落ちてますよ(笑)。最近も、作曲家さんたちが自分が作った曲を1小節全部ズレて歌われてるにもかかわらず、「ここたんのリズムがサイコー」ってツイートしてくださったりとか、ヒャダインさんも「『Be!』の出だしが見どころ」ってブログに書いてくださったりとか、本当にそういう方たちに褒めていただけるとホッとします。私も一応うまくく歌いたいし、せっかく作っていただいた曲だから、って気持ちがあるけど、いろいろついていけてないので。それでも「なんか好き」って言って、許してもらえててありがたいです。

―――ファンも注意する人とかいなかったんですね。

水沢 よく「ヤバい」とはよく言われるんですけど(笑)。「歌がヤバいリズムだった」って、けっこう柔らかく言ってくれて。でも大体いつも「でしょ~」っていう会話で終わらせる(笑)。けっこう自分でも言わせない雰囲気を作れてたのかもしれませんね。

―――なるほど。スタッフよりもファンが「あり」にしているから「あり」だったんでしょうね。

水沢 確かにすごい守られてたんだな、って思います。ヲタクの人たちで、悪口とかそういうの言っちゃいけない雰囲気を作ってくれてたと思うんですよね。「あれは楽しい」「違う見方で楽しめる」っていうのをみんなで見出してくれたと思ってて。私の推しの人じゃない人も全握のときとか「ここたんの歌が好きすぎていつもヒヤヒヤするよ」とか「エンターテイナーみたいだね」とか言ってくれるんです。初見の人とかも「なんかけっこうすごいリズム刻むんだね」とか「自己紹介の意味が分かったよ」って、私初めての人にはヘタってバレてないと思っていたのに(笑)。自分の歌がファンには面白いで通じるんだと思えたときに、「よし面白いんだこれは!」って自信を持てたんですよね。

■ベボガ!というグループ
―――ベボガ!ってグループはここたんにとってどんな存在ですか?

水沢 ベボガ!っていうグループは、私を受け入れてくれてる場所です。私のウィークポイントをチャームポイントに変えてくれる場所だと思ってます。
私の歌は、次のパートを歌う子にけっこう被害を与えるんですよね。水戸ちゃんとか。でもメンバーも、私の場合は仕方ないって見てくれてる部分があって、「大丈夫大丈夫」みたいな感じでほかのメンバーでカバーしようってしてくれてる。「ここたんがズレても他のメンバーはズレちゃダメ」ってなんかそういう風に思ってくれてます。

―――それが通常運転なんですね。

水沢 うん(笑)。だからメンバーには「いつもありがとう」の気持ちが強いし、ソロで歌ったりしてますけど……あれ本当はしたくないんですよ。メンバーがいるだけでどんなに安心感があるか、ひとりで歌ってみるとすごく分かるんです。私ひとりじゃ何もできないです。ステージの上でこのメンバーたちがいてくれて、初めてライブができるんですよね。

―――受け入れてくれる存在なんですね。

水沢 本当にそうなんです。「あんなにステージのクオリティ下げるような人とライブできないよ」とか言われたらもう私って終わりだし。実は私、休んでるときいつも不安だったんですよね。私がいないことで歌割が変わって、うまい子が私のパートを歌ってまとまった音楽になるかも、って。でもそんなときに、ファンの人もメンバーも「ここたんがこのパートじゃないとダメだ」とか「ここたんいないと刺激が足りない」って言ってくれてすごくうれしかったです。

―――なるほど。ベボガ!ってどのへんが魅力的なグループだったとが思います?

水沢 最近よく思うんですけど、やっぱり普通じゃないことがいっぱい起きて、だけど何事もなかったかのように普通にライブして、ファンの人と接することができてたんですよね。今までの波乱万丈のなかで私たちがしてきたことってすごいことなんだろうな、って思います。

■成長するための大事な場所
―――ラストライブはクラブチッタです。いろんな思い出が刻まれてると思うんだけどね。クラブチッタって。ここたんにとってどんな場所でしょうか?

水沢 クラブチッタは私とみんなにとって思い出の場所。最初ベボガ!はファンの人が0人からスタートして、1年目のファーストワンマンが六本木BeeHiveでした。そこは収容人数が120人で無理だって思ってたんだけど、そういうところに140人も集めて、これってすごいってなりました。そのとき「これってもっと頑張ればもっと人が来るってこと?」って単純に思えたんですね。そしたら、セカンドワンマンが川崎クラブチッタでキャパ1300人って(笑)。そんな無謀なことある? って思いながら、チケットの押し売り販売を始めました。

―――あのときは毎日ライブ後に一生懸命ファンに声かけて、チケット売るの頑張ってましたもんね。

水沢 あれは頑張りました。ノドが枯れるくらいに押し売りしました(笑)。そのときにチケット買ってくれて、そこから来てくれる人が今もいたり、そこで知り合って会えるときは会いにきてくれてるって方もいるし。あのときの努力って絶対無駄じゃなかったって思ってます。今でも覚えてますけど、そのときのクラブチッタの幕が上がったとき、今まで見たことがないような景色だったんですよ。「こんなにベボガ!のヲタクいたんだ」ってうれしかった。自分たちにも、自分自身にもそんなに自信がなかったから。あのときみんなが持ってたサイリウムがすごく綺麗で、すごく大変だったけど報われたっていうか、本当にああやってひとりずつに声かけてちゃんと話していけば、こうやってたくさんの人数になるんだなって思って。そこで初めて見て楽しかったよ、って言ってまた来てくれたときはもっともっとうれしくって。そういう感動や達成感もあって、川崎クラブチッタが大好きになりました。

―――それがあって2回目のワンマンライブへと繋がってるんですね。

水沢 本当にそうです。pixivになってベースボールガールズからベボガ!になり、衣装もオリジナルで作ってもらえて、曲もオリジナルで作ってもらえて。なんか輝いてるアイドルになれた気分があったんですよね。念願だったMVも作ってもらえて、今すごいアイドルしてるって。そのときに2回目の川崎クラブチッタが決まったんですけど、押し売りしてチケット売れるような状況じゃなくって「どうやってチケット売るんだろう」って困りました。でも、ひとつひとつのライブをこなして興味を持ってもらって自分の手で買ってもらうって、つまり自分たちのグループとしての実力で勝負しなきゃいけない状況だったんですけど、前回よりも集客があってちゃんと成功しました。1回目のときに押し売りした人が2回目のときは自分の手でちゃんと買ってくれてたりして良かった。あのときしゃべれて良かった、あのとき出会って良かった、って本当に思えましたね。

―――クラブチッタを節目に自分が成長した意識があるんですね。

水沢 そうです。毎回毎回違う状況があって課題をもらってるみたいな感じ。前回のハードルを越えなきゃいけないプレッシャーがいつもあって、直前まで押しつぶされそうになるけど、それを乗り越えてきた、みたいな場所が川崎クラブチッタです。

―――今回のラストライブについてはどうでしょうか?

水沢 今回は心に余裕がちゃんとあって、「もう来たくない人は来なくてもいい」って思うし、最後のライブだから「ベボガ!が好きだから見たい」「最後にベボガ!を応援したい」って思ってくれてる人たちに来て欲しいと思ってます。今回で最後の最後だから、自分たちの集大成がどうだったのか知りたい。当然埋まってるところが見たいけど、観客が半分くらいだったら自分たちはここまでだったんだな、って受け入れます。

―――うん。ここたんがいろんな状況をよく見てて、どう頑張ってきてたかを今まで見てきました。でも僕はここたん自身がどんなライブを見せたいのかをファンに伝えてほしいです。

水沢 (……少し言葉に詰まる)自分としては……なんだろう。レスとかも自分を好きでいてくれた人、ベボガ!を好きでいてくれた人たちに配りたい。大好きなみんなを身近に感じたい。だから今回は観客を埋めるっていうのが目的じゃないな、って思ってます。今までは埋めなきゃ埋めなきゃって必死感があったけど、ラストライブは来てくれた方たちに「恩返しをする場」だと思うから、最高のパフォーマンスを見せることだけ考えたいです。……なんか言ってて自分って成長したなって思います。

―――そうですね。いろいろと乗り越えてきましたもんね。

水沢 でも最後だから見といた方がいいよ、とも思う。「最後だよ。本当に最後だよ。最後だからね!」って。私、多分今までで一番良いパフォーマンスをする自信があるし、そうしようと思って今練習を頑張ってます。本当に集大成でこれから先はもう見られないから、私たちの踊ってる姿を脳内に焼き付けて、最高に楽しかったなっていう思い出にしてほしいです。

■みんなに伝えたいこと
―――ここたんはみんなにベボガ!をどんな風に覚えててほしいんですか?

水沢 そんながっつりじゃなくていいんですけど、どこかで「こういうアイドルいたな」とかたまに「ベボガ!」っていうアイドルを語ってもらえたらうれしいです。欲を言えば水沢っていたな、っていうのも覚えててほしい。多分記憶って薄れていくから私の「自称」が消えて、「ここたんセンターだったよな」ってなるから、それを狙ってます(笑)。でも全然ポジティブなことじゃなくても「歌がめっちゃ下手なアイドルがいて本当にヤバかった」っていう記憶でもうれしい。そんなアイドルでもヲタクがちゃんと支えれば、アイドルできるんだ、って語ってもらえたらいいな(笑)。みんなに頑張ってもらって5年後くらいにはにまだけっこう覚えてて、10年後にはまあまあ覚えててもらって、15年後にちょっと覚えてて、20年後にまだなんとなく覚えているくらいでいてほしい。

―――みんなに頑張って語り継いでもらいましょう(笑)。ちょっとマジメな話なんですけど「水沢心愛」って僕は立派なアイドルだと思ってるんですね。みんなが見ている以上に努力をしていたと思っていて、みんなが思っている以上にいろいろと考えていたな、って思ってます。

水沢 そう! これみんなに言っても信じてもらえるか分からないんですけど、私イヤホンしてるとき、ベボガ!の曲しか聴かないくらい聴いてます。家にいるときもいつもベボガ!の曲を流してます。本当にベボガ!の曲が好きでいつもなんか流しちゃう。メンバーのなかでも一番聴いてると思いますよ。……一番歌えないけど。

―――なんでそんなにベボガ!が好きなんでしょうか?

水沢 何で好きなんだろう。好きは好き。わかんないですけど、みんな好き。

―――もう少し具体的にどんなとこが好きですか?

水沢 え~~(笑)。なんかみんな不器用だな、可愛いなって思います。意外と上から目線。なんか不器用なメンバーとかいるじゃないですか。それも見てて面白いし、ベボガ!は大変なこともいろいろあるけどそれが面白かったりもする。メンバーだけじゃなくてヲタクの人も面白いです。みんなひとりずつ面白いところがあって、好きだから全然誰も嫌いになれない。メンバーもヲタクもマネージャーさんも周りのスタッフさんもベボガ!の周りはみんな大好きなんです。

―――ではそろそろ最後のパートに。ファンのみんなって特典会とかで解散の理由をあまりメンバーに聞いてこないらしいですね。

水沢 はい。みんな泣くだけで全然理由とか聞いてこないんです。

―――なぜみんなは聞いてこないんでしょうか。

水沢 えっと……彼らは私たちの気持ちをいつもすごく気にしてくれてて、みんな自分のことなんかよりも私たちのことを先に考えてくれるヲタクたちなんです。なんか逆に慰めるじゃないけど「大丈夫だよ」「何が大丈夫なのか分からないけど泣かないで」って言ってあげたい。特典会とかでもみんなが泣きすぎて面白くなってきちゃって「なんで泣いてるの? ウケる」って言っちゃったのを、めっちゃ特典会のレポで書かれて、「ここたんにウケるって言われた。めっちゃ俺が号泣してるときに」って。でもそのくらいの方が私らしいし、いいかなって思ってます。こっちだって泣きたい気持ちあるし、実はけっこう裏では泣いてたりするんですけど、私が大好きなヲタクの人たちから「泣き虫の印象よりもいつも笑ってるいいアイドルだった」って最後まで言われたいんです。だから私は泣いちゃダメだな、って思ってます。

―――いつもここたんが笑顔なのも泣き虫なのも、みんな分かってると思いますよ。では最後に、ここたんが大好きなヲタクのみんなに一言お願いします。

水沢 はい。私が「水沢心愛」としてアイドルできたのはファンのおかげで、私の人生において歌うことの楽しさ、踊ることの楽しさをみんなが教えてくれました。それは私にとって大切な財産で、みんなといた時間もいろんなことを乗り越えた時も……全部、宝物みたいです。本当にありがとう。

【ベボガ!水沢心愛 研究終了】

※「ありがとうベボガ!」企画にぜひご協力ください。ファンのみなさんにベボガ!メンバーに向けて、下記のハッシュタグで、ありがとうの気持ちをつぶやいてもらいたいです。
#ありがとうぺろりん
#ありがとうありり
#ありがとうみとちゃん
#ありがとうりかんぬ
#ありがとうここたん
#ありがとうベボガ
#ありがとうベースボールガールズ

■「ベボガ!ラストライブ ~最後のカッキーン!~」
2018年9月23日(日) 15:00 開場 / 16:00 開演
会場:CLUB CITTA’]
http://clubcitta.co.jp/

◎各プレイガイドにて一般発売中
ローソンチケット http://l-tike.com/concert/mevent/?mid=373849
チケットぴあ https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1838973
イープラス http://eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002201365P0050001P006001P0030006

【Information】
Official HP:https://2zicon.tokyo/?mode=beboga
Twitter:@bebogainfo

インタビュー・文:竹之内大輔
撮影:曽我美芽